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ヒロインが智香だった!「白夢 放課後の霧使い 」

SFから現代異能へ、舞台は変われど瀬尾節は健在。どこが、とは言えないんだけど、この人の筆致、好きなんだよなあ。 という訳で、霧の中から現れるガンパレ的魔物と、霧を使った超常能力で戦う少年少女の話。こういう表裏一体みたいな設定、好きだ。 で、メ…

これは確かに乙一絶賛するわ「サクラダリセット」

乙一絶賛帯と装丁の雰囲気が気になり読書。 内容は「これは確かに乙一絶賛するわ」という感じ。伎倆的にはまだ及んでいないものの、テイストは乙一のセツナサの系譜。 構造がややこしくなるのは仕方ないのだけど、ちょっと内容が理解しづらかった。あと、レ…

意外にも正当派!?な学園アクション「GENEZ-1 ジーンズ」

深見真の新作。特に深見信者ではないが、気になったので読んでみた。 学園ミリタリー・アクションということで、パワード・スーツみたいなものを着て戦う少年少女の青春もの。ガチガチのミリタリーSFかと思ったら、ほどよくオカルトも入っていて敷居が下が…

妖精さん版しびらいぜーしょん「人類は衰退しました 4」

巻を重ねる毎に自分が好きな作風から離れていった感のあったシリーズだったけど、今回は戻ってきたような。やっぱり妖精さんの出番が多くないと! そんな訳で中編二つ。「ひみつのこうじょう」はいまいちな感じ(妖精さんの出番少ないし! チキンいらない!…

やっぱりエディングスは面白い「ドラル国戦史1 四方を統べる神」

「ベルガリアード」のエディングス新作。積んでおくと追いつかなくなりそうなので、ぼちぼち手を出し始める。 うん。やっぱりエディングスは面白い。もちろん話はまだまだ序盤なんだけど、アフラエルを彷彿とさせる小悪魔系幼女神が出てきてニヤニヤ。 エデ…

SFでなければ描けない青春もある「ハローサマー、グッドバイ」

あちこちで評判を見かけたので、読んでみた……んだけど、最近日本の作家ばかり読んでいたせいか、久々の翻訳文体に手間取り、ちょこちょこ読んでようやく読了。 地球とは異なる世界の青春小説。ある夏に出逢った少年と少女が、若い恋に落ち、やがて近づいてく…

あの小悪党がここまでの悪役に成長するとは「マーベラス・ツインズ契 (3)いつわりの仮面」

「マーベラス・ツインズ」通巻6冊目。あいからずのジェットコースターっぷり。 主人公二人、好敵手同士の期間限定の同盟関係という燃える展開。互いに殺し合う定めにある両者が信頼しあうとか、格好良過ぎ! そして小悪党に過ぎなかった江玉郎がどんどん父…

やっぱり小川一水は架空歴史作家だと思うんだ「フリーランチの時代」

小川一水さんのSF短編集……なんだけど、正直SFな最初の四編は凡庸だと感じた。SF短編というのは、ワン・アイディアをどこまで先鋭に研ぎ澄ましていくか、というものだと思う。その意味でこれら四編は思考実験的ではあるが、あくまで堅実なシミュレーションで…

三人目の本読みヒロイン誕生!「ダンタリアンの書架1」

”文学少女”遠子先輩、"時載り"リンネに続き、"読姫"ダリアンという第三の本読みヒロイン誕生! という訳で、三雲岳斗さんの新作。関係ないけど、インデックスは設定の割りに、全然本読まないよね。 さらにダリアンはなじり属性。非常にツボ……のはずなんだけ…

コード・ギアス+無双?「火の国、風の国物語4」

ファンタジー戦記4冊目。 「コード・ギアス」のスザクがギアス能力を持ったらこんな感じ?なアレスの無敵っぷりがすごい。一騎当千というのは普通比喩であるが、本当にそれをやってしまう超展開。ジェレイドが番組後半で「そんなバカな」を連呼するルルーシ…

現代学園異装宇宙編「SH@PPLE―しゃっぷる―(3) 」

すっかり雪国モテモテ展開に嫉妬。やっぱりフラグは幼少の砌に仕込んでおかねばならぬのか。すなわち俺、負け組! 女の園のちょっと生臭い学内政治の話が出てきたりで、学園ものお約束の演劇対決へ! そして盛り上がった所で、以下次巻。続きはいつっ!? 海…

ライトノベル版ひだまりスケッチ「ラノベ部」

ライトノベル部に集う高校生たちの日常を描いた作品。またメタか!と思いつつも、某企画のために読むかと思って手にしたら……ふつーに面白かったよ。 「生徒会」より一話一話を短くして、さらに4コマ化した感じ。「生徒会」ほどネタの応酬はなく、どちらかと…

林檎かわいいよ林檎「生徒会の日常」

「生徒会の一存」、ドラマガなどに連載されたものを中心とした番外編。 いやー、自分って意外にちゃんとドラマガ、読んでたんだなあ……という訳で、ほぼ再読なんだけど、それでもゆる面白い所がこのシリーズの凄い所。特に「零話」の面白さ(=非道さ)は、未…

杉井光は飛び道具を得て深化した「ばけらの! 」

発売前から一部で話題になっていた本。読んでみたら……意外とふつーに面白いじゃん! ま、元ネタ知らないとふつーの萌えコメなんで特筆する点がない、という説もあるが。 杉井光は、構成もしっかりしていて、筆致も堅実だが、萌え*1を描くのが不得手、といっ…

異能者の集う中二病棟「ナイチンゲールの沈黙(上下)」

桜宮サーガ第2弾が文庫化したので読んでみた。 この作者の魅力はやっぱりトリック部分じゃなくて、キャラクタだよなあ。医療関係者を始め登場人物がことごとく二つ名持ちで、異能すれすれの技能持ち多数って、どんな中二病棟(笑)。そんな個性的な面々のや…

ななせ、恐るべきデレツン「“文学少女”と神に臨む作家 上」

“文学少女”シリーズ完結編上巻。一気に読みたいので下巻が出るまで我慢してた。大正解だったぜ! 前半のななせの可愛さが強力すぎる。遠子先輩派のはずの俺をして揺るがすとは、恐るべきデレツンだ。 そしてななせのラブコメっぷりが、際立たせる遠子先輩の…

このジェットコースターっぷりと熱さは異常!「マーベラス・ツインズ契 (2)めぐり逢い」

小魚児のしかける策。しかし策士策に溺れるの言葉通り、少しずつ齟齬が生まれ、そして小賢しい思惑はまっすぐなまでの正攻法で破られる。再び結集する十大悪人(の一部)、英雄へと覚醒していく小魚児……ついに宿命のライバルは一時休戦して手を組んだ! 相変…

清く正しくライトノベル「緋弾のアリア」

ちびっこい女の子が二丁拳銃を持っていたら、買うしかないじゃないか! 中身は清く正しくライトノベル、って感じ。主人公の能力がさすがに狙い過ぎな気もするけど。 敵味方の秘密が明かされる後半は爆笑もの。あそこの小ネタが、伏線だったとは……しかし、設…

読んでいて心が血を流しそうだよ…「とらドラ 8 !」

クリスマスの告白玉砕をなかった事にして再び始まる日常……しかしそれは薄氷の上の平穏、一度ピンと糸が伸び切った緊張状態は、修学旅行という特殊環境であっけなく崩壊するのだった。 いやー、ここ数冊、とらドラ!は、毎回がクライマックス過ぎて息つく暇も…

みんなどんどん壊れていく…「生徒会の三振」

「生徒会」シリーズも早いもので3冊目。内容はあいかわらず。このシリーズって、決して「傑作!」って叫ぶようなものじゃないんだけど、ゆるゆる感が心地よくて、ついつい読みたくなるんだよなあ。 しかし3冊目ともなると、みんなキャラがどんどん壊れて立…

誰もが誰かを騙してる「マーベラス・ツインズ契 (1)」

武侠シリーズも青年編ということでタイトルがちょっと変更。 嗚呼、恋が少年を男にするのだね。 この世に善人はいないのか、と嘆きたくなるほど、みんな秘密を抱えて、互いを陥れようと陰謀を巡らしている。タイトル通りの「だましあい」の状況の中、未だ実…

知っているか、イタカは毛むくじゃらの…「死図眼のイタカ 」

クトゥルーものと聞いて。って、そんなことはタイトル見れば一発で分かったんだが、積読量にいったんスルー。しかし評判が良さげなので、ラノサイ杯前に読んでみた。 ま、クトゥルーものはモチーフ程度。ということで知らなくても問題なし。しかしイタクァが…

そんな、2人が双子だったなんて!「マーベラス・ツインズ (3)双子の運命 」

翻訳だからって刊行ペース早すぎるよ! そんな訳で既にして4*1も出ている状態ながら、ようやく読んだ。 という訳で、話は過去編。小魚児出生の秘密が明かされる! そんな彼と彼が双子だったなんて! って、タイトルでバレバレだよ! 後半の小魚児教育のくだ…

少女には野心がよく似合う「征服娘。」

ラノサイ杯新規部門で何票か入っていて、そういえば買った事を思い出し、積読から発掘して読んだ。 大航海時代イタリア都市国家風異世界を舞台に、貴族の娘が世界を手にする野望を抱く、というもの。なんか田中芳樹が書きそうな話。つまり、ぶっちゃけ好み。…

武侠ラブコメ、ここに爆誕「DRAGONBUSTER 01」

秋山瑞人の武侠風ファンタジー。 ま、どちらかというとガール・ミーツ・ボーイなラブコメかも。 序盤ノリを掴むまで大変だったが、一度波に乗ってしまえばするすると愉しめた。月華かわいいよ月華。 話としてはまだまだ序章、といった雰囲気だが、後書きによ…

書物の塔でダンジョン探検「時載りリンネ! 3 ささやきのクローゼット」

「人類は衰退しました3」といい、「マーベラス・ツインズ2」*1といい、最近のラノべはダンジョン探索が密かなムーブメントなのだろうか? という訳で、不思議なドアノブに導かれて、バベルの塔をハック&スラッシュ!(はしません)な話。時間ネタも今まで…

ダンジョン武侠「マーベラス・ツインズ (2)」

気がついたら第2部開始していて、慌てて積読を崩し始めた。 相変わらずのジェットコースターっぷりで、荒唐無稽な話を有無を言わせず力押し。愉しい。新キャラの江玉郎の小悪党っぷりも笑いを誘う。そして地下迷宮のダンジョンな仕掛けが、TRPGものにはたま…

ご愁傷さま姫路さん「バカとテストと召喚獣4」

バカテスとあっては最優先に読まねばなりますまい。 展開としては、なんてゆーか、ご愁傷さま姫路さん? 完全に美波オンステージな展開。これは人気投票に影響が出てしまうのでは! 余りの正当派ラブコメっぷりに、もう試召戦争なんて、どーだっていーやーと…

まさかまさかの急展開の連続「七姫物語 第五章」

久しぶりの七姫は、妙に戦記度が上がったような。いや、むしろ好みなんだけどね。 相変わらずシーン切り替えの重ね技が愉しい。 第三戦力の参戦にどうなるんだと思っていたら、終盤はまさかの展開の連続。盛り上がってきたけど、あと数冊でこの混沌とした話…

高校生+銃器=ヤングガン「ヤングガン・カルナバル」

実は初深見真。 殺し屋、銃器、犯罪結社、ヤクザ、海外マフィア、政治屋…ガジェットは使い古されたバイオレンスなのに、主役の殺し屋を高校生の男女にし、日常描写に学園を入れただけで、なぜこうも新しいのか。リアリティを軽く一跨ぎしてエンターテイメン…