杉井光は飛び道具を得て深化した「ばけらの! 」

 発売前から一部で話題になっていた本。読んでみたら……意外とふつーに面白いじゃん! ま、元ネタ知らないとふつーの萌えコメなんで特筆する点がない、という説もあるが。
 杉井光は、構成もしっかりしていて、筆致も堅実だが、萌え*1を描くのが不得手、といった印象がある。しかし本作は実に萌え萌えしていた。イヅナかわいいよイヅナ、である。このさい中の人は忘れよう。
 それにしても、メタ、というか実在の人物をモデルにして、ようよう萌えが描けるって、どんだけ屈折してるんだよ! 本作で得たものが昇華されるだろう、次シリーズで、杉井光は化けるのでは、と個人的に睨んでいる。
 ところで、この作中の杉井ヒカルが、ニート探偵やイタカと同じ、「ヘタレ。やればできる子」テンプレートで笑った。ひょっとして中の人からしてそうなの?!

ばけらの! (GA文庫)

ばけらの! (GA文庫)

*1:科白や仕草レベルから積み上げる萌え。