知っているか、イタカは毛むくじゃらの…「死図眼のイタカ 」

 クトゥルーものと聞いて。って、そんなことはタイトル見れば一発で分かったんだが、積読量にいったんスルー。しかし評判が良さげなので、ラノサイ杯前に読んでみた。
 ま、クトゥルーものはモチーフ程度。ということで知らなくても問題なし。しかしイタクァが美少女か……いや、ネクロノミコンが美少女化するご時世に何をか況んやであるが。でも、イタクァって、ウェンディゴだよ!?
 内容としては、田舎の都市を支配する謎の一族、奇妙な儀式、そこに現れる退魔師、と伝奇の王道。退魔師が脇役系ヒロインで、語り手が一族の内側に取り込まれているってのが珍しいかな?
 一族のねっとり感が物足りないのと、落ちの弱さが難点だけど、なかなか面白かった。あと、4姉妹はもっと描写してから(以下略)。でも、久々に伝奇を読んだー、という感じが味わえた。
 「イタカ神話群」が気になってきたので、クトゥルー神話を久しぶりに紐解こうかな。

死図眼のイタカ (一迅社文庫)

死図眼のイタカ (一迅社文庫)