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〈本の姫〉は謳う 1

「煌夜祭」でデビューした新人さんの2作目。正直、「煌夜祭」の個人的評価は、良くできているけど地味、だったのだが…〈本の姫〉なんて言われちゃ、本好きとしては気になるだろっ! 文字が失われた世界での本の話、という一見「?」な設定だが、読めば納得…

遠まわりする雛

サイン会を午後に控えつつ、お昼までになんとか読了。 それにつけても、なんという千反田える萌え小説! 「あきましておめでとう」のあのシチュエーションで誤解されるような事を起こさないホータローは別の意味で省エネすぎるよ! 「遠回りする雛」とかも……

時載りリンネ! 1

評判が良いので読んでみた。 おお、確かにこれは素晴らしい。久し振りに、大期待の新人。 構成に無駄が多いとか、バトル部分で何が起きているのか分からないとか、瑕疵はあるのだが、それを補って余りある魅力がある。新人離れした〈空気〉を持つ筆致と、厭…

暗号解読

暗号。心躍るなあ。 製作者と解読者の攻防という、暗号の歴史を辿っていく。時代が下るにつれて、暗号は複雑になって行くので、結果、段階的に暗号を学べるというのがポイント。おかげで十五年前に理系を断念した私でも、なんとか話について行けたよ。*1 公…

人類は衰退しました

ガガガ文庫、せっかく創刊したので、1冊くらいは読んでみよう。という事で、平和さんオススメの田中ロミオを。 予想していたのとは違った面白さだった。 いや、エロゲーライターさんだと聞いていたので、もう少し萌え萌えしたものかと思ってたんで。 主人公…

黄昏の百合の骨

しばらく恩田作品を読んでなかったら、文庫化のものがたまってきたので。久しぶりに恩田陸を読んだのだが、やっぱり面白い! それぞれ秘密を隠した女たちが一つ屋根の下で心理戦。このえげつなさこそ恩田陸の真骨頂。 前作にあたる「麦の海に沈む果実」の記…

クジラのソラ02

うお、なんか凄く面白くなってる! いやね、前回ツボだった《ゲーム》周りの話はあまり無くなっていて…というか、完全にパラダイムシフトで別次元に行っちゃって。もうちょっと《ゲーム》自体の話を読みたかったなあ、とか物足りなく思わんでもないのだけど…

狼と香辛料(3)

世間ではもう4巻が出ているのに、ちょっと間を空けて3巻読了。…あれっ? 「狼と香辛料」って、こんなにL・O・V・Eな話だっけ?(笑) という訳で、ロレンスとホロのラブコメっぷりにニヤニヤ。私もホロに翻弄されてみたい。ただ難を言えば、二人の鉄壁っぷ…

零式

歴史改変SF。作者の来歴から、もっと飛び道具的な小説を予想していたのだが、根幹は結構まっすぐな青春小説。 敗戦後の日本からの歴史改変ネタとか、作者の来歴の類似とか、根っこのまっすぐさとか、「ヤクザガール・ミサイルハート」との共通点で一席ぶて…

空とタマ

ラノサイ杯で気になったので発掘第2弾。 「ラジオガール」はいまいちピンと来なかったけど、こちらは大ヒット! 廃倉庫の1Fと2Fに分かれて、相手の正体も分からないまま、バトルしたり、かけひきしたり、という展開がまず面白い。 そして終盤、それぞれ…

クジラの彼

サイン会の前日に無事読み了えた。 有川浩さんの恋愛小説集…というには全編、ちょっとした行き違い→仲直り→ダダ甘、という基本パターンを踏襲していてバリエーションに乏しい。でも、ラブコメ集として純粋に面白いので全然OK! なんだこのバカップル大集合(…

四季 秋

前作から一気に時間は飛んで「すべてがFになる」以後に…って、さらりと衝撃の事実が明かされマシタヨ! シリーズをずっと読んできた人間にはたまりませんなー。色々な断片が一気にがちゃこんと嵌まる感覚。こんなことをずっと仕込んでたのか、すげえ。 久し…

かみちゅ!

友人から借りて、2日間ほどで一気に見た。いやあ、正月っぽいネ。 個人的には「R.O.D」や「ハルヒ」より好き。 「かみちゅ!」の最大の魅力と言えば、やはり全体の空気だろう*1。 神様が隣人という、八百万のゆるゆるした世界。この日本的な世界が、やっぱ…

”文学少女”と繋がれた愚者

“文学少女”と繋がれた愚者野村 美月 竹岡 美穂 エンターブレイン 2006-12-25評価 by G-Tools , 2006/12/31 オフ会でうっかりネタバレされてはかなわん!と、開始五分前になんとか読了。 という訳で、文学少女第3弾。 いやあ、文学少女の登場人物は完全に明…

ユーフォリ・テクニカ

ユーフォリ・テクニカ?王立技術院物語定金 伸治 中央公論新社 2006-12評価 by G-Tools , 2006/12/26 定金さんにしてはヒロインがすごく魅力的!(失礼) という訳で、スチームパンク風異世界で元気な女の子技術者が頑張る話。世界観もヒロインもテーマも私の…

れじみる。

れじみる。藤原 祐 メディアワークス 2006-12評価 by G-Tools , 2006/12/22 「レジン・キャスト・ミルク」のコメディ寄り短編集。 いやあ、こういう短編集って、本編がシリアスなほど、うわっ滑りしかねないものだけど、これは純粋に面白い。 というか、もう…

GOSICK VI

GOSICK〈6〉ゴシック・仮面舞踏会の夜桜庭 一樹 富士見書房 2006-12評価 by G-Tools , 2006/12/14 僕らの待ち望んだ、ゴシック最新刊ですよ! ヴィクトリカにエプロンドレスを着せた桜庭さんも、それに相変わらずの高クオリティで応えた武田さんも素晴らしす…

復活の地(1)

復活の地 1小川 一水 早川書房 2004-06-10評価 by G-Tools , 2006/11/30 サインをもらったのをきっかけに読み始めた*1んだが… 面白いとは予想していたけど、ここまで面白いとは! 大地震から復興する国を描いたSF小説。異なる惑星を舞台にした架空の歴史、保…

楽園の泉

楽園の泉アーサー・C. クラーク Arthur C. Clarke 山高 昭 早川書房 2006-01評価 by G-Tools , 2006/11/01 軌道エレベータ。数あるSFガジェットの中でも、燃え度トップランク入り確実の一品である。 これは、そんな不可能と思われた軌道エレベータの建造に生…

カーリー ~二十一発の祝砲とプリンセスの休日~

カーリー ~二十一発の祝砲とプリンセスの休日~高殿円 椋本夏夜 エンターブレイン 2006-09-30評価 by G-Tools , 2006/10/24 カーリー、待望の続編。…厚っ! という訳で、今回は「ローマの休日」*1なんだけど、高殿円がそんな無難な展開にするはずもなく…ああ…

夜のピクニック

夜のピクニック恩田 陸 新潮社 2006-09評価 by G-Tools , 2006/10/08 夜のロングウォークというものは実に気持ちが良い。*1 という訳で、恩田陸の出世作とも言える本書。本屋大賞に選ばれるだけあって、恩田作品の中でもかなりクオリティは高い。経験したこ…

”文学少女”と飢え渇く幽霊

”文学少女”と飢え渇く幽霊野村 美月 竹岡 美穂 エンターブレイン 2006-08-30評価 by G-Tools , 2006/10/01 今期の大期待作、文学少女の二冊目だよ! で。 確かに、先に「○○○」*1を読むべきじゃなかったかも。でも「○○○」を知らないと、途中既視感を覚えてぞ…

TOY JOY POP

TOY JOY POP浅井 ラボ 柴倉 乃杏 ホビージャパン 2006-08-29by G-Tools , 2006/09/18 なぜか浅井ラボさんがHJに登場。「され罪」は読んでないんだけど、なんか気になるので読んでみた。 ら、これが大正解! 五人の男女(というか、男+女4人。でもハーレム…

さよなら妖精

さよなら妖精米澤 穂信 東京創元社 2006-06-10評価 by G-Tools , 2006/07/09 読む前からマーヤのイメージが、イラスト:NOCCHI、CV:坂本真綾だった。安直ですまん。でも我ながらぴったりのキャスティングだったと思うよ! という訳で、「哲学的意味はありま…