〈本の姫〉は謳う 1

 「煌夜祭」でデビューした新人さんの2作目。正直、「煌夜祭」の個人的評価は、良くできているけど地味、だったのだが…〈本の姫〉なんて言われちゃ、本好きとしては気になるだろっ!
 文字が失われた世界での本の話、という一見「?」な設定だが、読めば納得。面白い世界観だ。ただ気になるのは、文字が英語なこと。これ、遠未来だったりするのかなあ。そうじゃないと、ちと安易だけど。
 前作で気になったキャラの弱さは、大幅に改善されていて驚いた。平和主義でおっとり気味な主人公と、強気で過激な〈本の姫〉のやりとりが愉しい。というか〈本の姫〉、萌える。この本、ボクにもください。あと、お調子者とか、女戦士とか、脇役陣もベタだけど、ちゃんと描けているので好感。
 並行して進む天使の物語がどう本編に絡んでくるのか。さまざまな伏線がどう回収されていくのか。全4巻ということなので、続編を愉しみに待つ。