黄昏の百合の骨

 しばらく恩田作品を読んでなかったら、文庫化のものがたまってきたので。久しぶりに恩田陸を読んだのだが、やっぱり面白い!
 それぞれ秘密を隠した女たちが一つ屋根の下で心理戦。このえげつなさこそ恩田陸の真骨頂。
 前作にあたる「麦の海に沈む果実」の記憶はひどく曖昧なのだが*1、ただいまいち好みではなかったはず。でも、この作品は愉しめた。恩田作品の中では「木曜組曲」に近いテイストかな?
 「夜のピクニック」みたいな青春物も良いけれど、やはり毒のある少女こそ恩田作品の真の魅力だよなあ。

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黄昏の百合の骨
恩田 陸
講談社 2007-04-13
評価

Q&A 語り女たち クレオパトラの夢 小生物語 夜のピクニック

by G-Tools , 2007/04/21

*1:ちなみに続編といっても緩やかなつながりで、これだけ読んでも問題ない