クジラの彼

 サイン会の前日に無事読み了えた。
 有川浩さんの恋愛小説集…というには全編、ちょっとした行き違い→仲直り→ダダ甘、という基本パターンを踏襲していてバリエーションに乏しい。でも、ラブコメ集として純粋に面白いので全然OK! なんだこのバカップル大集合(笑)。
 個別の作品の感想でも。
「クジラの彼」。「海の底」スピンアウト冬編。最大の見所は、さりげなく触れられている大事件が「海の底」だということだろう。遠距離恋愛つらいなー、と普通に恋愛小説をやっている背後では、怪獣小説が展開してるんだもの。これが笑わずにいられようか。
「ロールアウト」。トイレから始まる恋愛。やっぱ有川さんは良い笑いのツボを持っている。
「国防レンアイ」。不覚にも三池に萌えた。
「有能な彼女」。「海の底」スピンアウト夏編。あのラストが大好物な私にはたまらない。
「脱柵エレジー」。珍しくややビターテイスト。
「ファイターパイロットの君」。「空の中」スピンアウト。デレモードの光稀、兇悪に可愛いなあ。
 ところで、短編だからという事もあるのだろうけど、恋愛→結婚と直結してるのって、小説だと珍しい気がする。
 という訳で、ごちそうさまでした。満腹です。
 これから読む人は、「空の中」「海の底」を先に読んでおくべきです。


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クジラの彼
有川 浩
角川書店 2007-02
評価

図書館危機 レインツリーの国 図書館内乱 海の底 塩の街?wish on my precious

by G-Tools , 2007/02/11