グアルディア(上下)

 いやー、てっきりファンタジーだと思い込んで読み始めたら、遠未来SFで、まずそこにびっくりしたり。そして、カルラが主人公の話かと思ったら、アンヘルの物語だった。カルラがメインだったら萌えたのに!(爆)
 と、序盤から2回裏切られたから悪印象…という訳ではないのだけど。色々と気になる点が。
 まずメイン・キャラクターたち以外の印象が薄い。なのに群像劇として次々視点が、そして時系列までぽんぽん飛ぶので、無茶苦茶話が追い辛い。設定も出し惜しみしている感があり分かりづらい。そのせいで、前半は冗長の印象がある。また、作者の筆致なのだろうが、どうも肝心な事ほどさらりと描写してしまっている気が。こんだけ読んでいて、中身が頭に入ってこない人も久しぶりだ。何度もページを繰り直した。
 ま、だからといってつまらない、という訳でもなく。
 後半、物語が全容を表して加速しだすと、ぐんと面白くなった。最初からこのペースで頼むよー。

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グアルディア 上
仁木 稔
早川書房 2007-04
評価

グアルディア 下 ラ・イストリア 沈黙のフライバイ 反逆者の月 忘却の船に流れは光

by G-Tools , 2007/06/07