楽園ヴァイオリン クラシックノート

 ラクエンじゃなくてガクエン。
 という訳で、友桐夏ひさびさの新作。タイトルは変わっているが、内容も作風もまごうことなき「リリカル・ミステリー」の系譜であった。
 連作短編の形式で、普通の音楽小説として始まりながら、一話重ねる毎に物語は別の様相を帯びていく。「あたしの自慢は友達が少ないことよ」とか言い切ってしまう女の子たちが繰り広げる、歪つな青春ミステリー。
 友桐夏が好きなラノべ読みは、恩田陸も読めばいい。恩田陸が好きな一般文芸読みは、友霧夏も読めばいい。きっと両者は分かり合える。