七人の武器屋 レジェンド・オブ・ビギナーズ!


 今ラノべ界隈で、ファンタジー+経済、というと「狼と香辛料」のことだろう。だが、支倉凍砂さんのデビュー作「狼と香辛料」が世に出る数カ月前、嗚呼これが共時性というものだろうか、同じテーマを扱った作品が、やはり新人のデビュー作として書かれていたのである。
 それがこの「七人の武器屋」だ。
 内容は、七人の少年少女がひょんなことから武器屋をやることになっててんやわんや、というもの。ま、これだけ書けば分かるだろうが、経済的なリアリティという意味では、「狼と香辛料」の足下にも及ばない。彼ら七人の素人集団など、生き馬の目を抜く世界で生きる行商人ロレンスの手にかかれば、あっという間に身ぐるみ剥がれてしまう事だろう。
 でも、リアリティなんて刺身のツマみたいなもんだ、というのはラノべ読みなら当然知っているハズ。この点で「狼と香辛料」の方が優れている、なんて言うのは愚の骨頂だ*1
 事実「七人の武器屋」には「狼と香辛料」には無い魅力が色々ある。例えばそれはわいわいがやがやの修学旅行的なノリだったり、べったべたな展開だったりする。
 ま、何が言いたいかと言うと、同じようなテーマでも、切り口次第で随分作品は変わるんだなあ、と。そんな風に思ったんで、いつもと違う感想を書いてみた。というか、これ、感想なのか?

*1:あー、でも、あの詐欺はないかなー、とか思ってしまう私は、結構リアリティに拘ってしまう方