年々幻想度が上がる恩田陸。当然常野も……「エンド・ゲーム―常野物語」

 常野物語第3弾。
 恩田陸はどんどん幻想度が上がって行くなあ。現実と幻想がゆらぐ作風が好みなのだが、最近は幻想に振れたまま帰ってこないので自分の趣味とずれてきている感じ。
 恩田陸の根幹はラノべっぽいと思う。そこから幻想・ホラーの味付けに行くから別物になるけど、このエンド・ゲームにしても、現実の裏側では異能者たちが異形の存在と戦っている……という、主人公を数才若返らせてバトル成分を加味すれば、あっという間にラノべになる内容。恩田陸が真っ正面からラノべを書いたらどうなるんだろう、といつも思う。他にラノべっぽい恩田陸と言えば「劫尽童女」なんかがある。こちらは発火能力を持った幼女の話だぜ?

エンド・ゲーム 常野物語 (集英社文庫)

エンド・ゲーム 常野物語 (集英社文庫)

劫尽童女 (光文社文庫)

劫尽童女 (光文社文庫)