少年少女VSヤクザのリアリティ「神様のメモ帳 2」

 最近、怒濤の連続刊行で注目を浴びている杉井光さん。以前「ぶよぶよカルテット」が好きなら、「さよならピアノソナタ*1がオススメ、と言われたものの、こちらのシリーズが積読のままだったので発掘してみた。
 まさかライトノベルで、こんなド直球のヤクザ・暴力団ものを読むとは思わなかったぞ。そして好みじゃない(苦笑)。これは「SHI-NO」の時も漠然と感じていたんだけど、少年少女とヤクザが“戦う”、という構図にどうしても違和を感じてしまう。少年少女が“戦う”、というのは一種のファンタジーなんだけど、*2その敵が「ヤクザ」という現実に存在する暴力装置では生々しすぎて、リアリティ・レベルの置き所に困ってしまう、からかな。ヤクザを前にした十代の反応としては、前半の主人公こそが普通。そこには大きな壁があるはずだ、と思うので、他の面々が易々と越えているのを見ると、うーん……。
 その辺の違和感を除けば、話自体はよくできていたと思う。あいかわらずアリスには萌えないけど。
 あと読書期間が空きすぎて、1巻の内容をほとんど忘れていたのが、ががが。*3彩夏に何が起きたのか覚えてないので、色々と台無しだ。

神様のメモ帳〈2〉 (電撃文庫)

神様のメモ帳〈2〉 (電撃文庫)

*1:さよならトロイメライ」と紛らわしい。

*2:現実では少年少女は学ぶものである。

*3:これは自業自得。