言葉の魅力を再確認できるラノべ「時載りリンネ! 2 」

 ジュヴナイルな第2弾。
 アンティークのオークションって、どんだけ! こういう地味な愉しさのラノべって貴重だわ。その代わり、終盤のバトルは正直、相変わらずの盛り上がらなさ。これだけ日常描写に特化されたラノべ作家も珍しい。年配者のキャラが多いのも、この作品の独特の空気を作っている要因の一つだろうなあ。
 あと、この人の語彙の豊かさはには驚かされる。さりげない言い回し一つ一つがほとんど重複しない。比喩や慣用句も多彩で読んでいて厭きない文章。〈時載り〉ではないけれど、言葉の持つ滋味を愉しめる。自然に「じねん」のルビが振ってあるのなんて久しぶりに見たよ!
 しかし凪。いくらなんでも凄過ぎだろ。まあ「破壊」が似合わない作品ではあるんだけどさ。その辺はちょっと興ざめ。

時載りリンネ!〈2〉時のゆりかご (角川スニーカー文庫)

時載りリンネ!〈2〉時のゆりかご (角川スニーカー文庫)