銀河英雄伝説(1)
木乃伊取りが木乃伊になって再読開始。
いやあ、面白いなあ。
とにかく次々と物語が動く。1冊の本の中にこんなに事件が詰め込まれていたんだ、と改めて驚嘆した。ゆっくりと書けば、これだけで10冊になるんじゃないか、という物語の密度。なんという贅沢。
そして多彩な登場人物たち。ああ、あの人物はこんな所でもう出てきてたんだ!と驚くのは、大河小説を再読して初めて味わえる醍醐味。再読して大正解。
これは歴史に翻弄される人たちの物語であり、歴史に挑む人たちの記録である。
もちろん、銀英伝にも瑕疵はある。この年になって読んでみると、田中芳樹史観の偏りに引っ掛かりを覚えないでもない。また筆致もまだ完成されていず、大仰で硬質に過ぎる。
だが、そんなのは本当に小さな瑕だ。銀英伝は圧倒的な輝きを持つ物語の宝石である。
積ん読がたまらない程度にぼちぼち読んで行こうと思う。
…しかし初読時との最大の違いは、主要キャラの科白がアニメ版の声で脳内再生される点だろうか(苦笑)。