銀河英雄伝説(1)

 木乃伊取りが木乃伊になって再読開始。
 いやあ、面白いなあ。
 とにかく次々と物語が動く。1冊の本の中にこんなに事件が詰め込まれていたんだ、と改めて驚嘆した。ゆっくりと書けば、これだけで10冊になるんじゃないか、という物語の密度。なんという贅沢。
 そして多彩な登場人物たち。ああ、あの人物はこんな所でもう出てきてたんだ!と驚くのは、大河小説を再読して初めて味わえる醍醐味。再読して大正解。
 これは歴史に翻弄される人たちの物語であり、歴史に挑む人たちの記録である。
 もちろん、銀英伝にも瑕疵はある。この年になって読んでみると、田中芳樹史観の偏りに引っ掛かりを覚えないでもない。また筆致もまだ完成されていず、大仰で硬質に過ぎる。
 だが、そんなのは本当に小さな瑕だ。銀英伝は圧倒的な輝きを持つ物語の宝石である。
 積ん読がたまらない程度にぼちぼち読んで行こうと思う。
 …しかし初読時との最大の違いは、主要キャラの科白がアニメ版の声で脳内再生される点だろうか(苦笑)。

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銀河英雄伝説 1 黎明編
田中 芳樹
東京創元社 2007-02-21
評価

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by G-Tools , 2007/08/24