“文学少女”と穢名の天使
「文学少女」4巻目のオマージュ対象は「オペラ座の怪人」。個人的には意外なセレクトに思えた。ちなみに初めて既読の本。ま、詳細覚えてなかったからあんま関係なかったけど(苦笑)。
作中、基本「怪人」ではなく「ファントム」と表記する辺り、作者の拘りかな。「オペラ座の怪人」は邦題としては名訳だけど、「ファントム」と「怪人」はやっぱり意味が違うよね。「怪人」じゃ悲壮感がない(笑)。
遠子先輩の出番が少ないのが寂しいけど、その分今まで単なるツンデレ模様の背景だったななせが大活躍。ふう、遠子先輩派の俺が危うくよろめきかけたぜ。でも、アン・ライス「スリーピング・ビューティ」まで読んでいる守備範囲の広さに、改めて遠子先輩に惚れ直す。
途中の展開は色々と交錯していて、分かりにくいし、正直くどいかなあ、とビミョー評価だったんだけど…「文学少女」はラストでもっていくんだよなあ。最後はページを繰る手が止まらなかった。
前も思ったんだけど、「文学少女」は既存の作品を下敷きにする事で、最近ではブンガク・エンターテインメント、どちらでもやりにくくなったくどいキャラ造形をメタ的に実現しているんだよね。この辺、話を膨らませれば、なんか書けそう。*1
さて、次はいよいよ、彼女が本格始動かしら。楽しみだわん。
*1:だけど、面倒だからやらない