少女七竃と七人の可愛そうな大人

 すまん。プルーフ版もらったにも関わらず、途中まで読んで放置していた(汗)。でも「赤朽葉家」のサイン会に参加するし、それを読むなら、まずこちらを読まないとなー、ということで。

 そして。再読開始してすぐに、なぜ以前の自分が途中で放置したか思い知った。
 疲れるのだ。
 別に悪文だとか、つまらないとか、そういう訳ではない。むしろ桜庭節とも言うべき筆致は読み易く印象的だ。
 ただただ、淡々と切々と、こちらの心に終始切り込んでくるのだ。
 読んでいて消耗する。
 小説を読みながら、血小板のない血を流し続けているような気分だ。
 正直、また挫折しそうになったが、ここで投げたらもう二度と読めないような気がしたので、最後まで頑張った。
 ミステリなどのエンタメ要素を剥ぎ取った、桜庭一樹の「少女」とは、「女」とは、かくも畏ろしいものだったのか。
 読み了えた今でも、実はこの作品が面白かったのかどうか、判断がつかない。
 しかし私の心に、疼きを残した事だけは確かだ。
 今までの桜庭一樹作品と、「七竃」はまた別次元の作品に思えた。