マルドゥック・ヴェロシティ(3)


 マルドゥック・ヴェロシティ完結。
 約束された破滅へ突き進み、どうしようもない絶望へ転がり落ちる…そんなどす黒い展開に、一時期読むのを中断していたのだけど。
 どうもそれが失敗だったみたい。
 時間を空けたら、物語にのめり込めなくなっていた…。どうもこの小説は、爆心地目指して墜ちて行くボイルドにシンクロしながら、転がり落ちるように一気読みしなければならなかったようだ。そして、その為の3週連続発売だったのだろう。
 なんか独特の文体も食傷気味になってしまったし。うーん、損した。


 という訳で、これはこれから読む人への警告である。
 この作品は、3冊を一気通読しなければならない。
 どんなに辛くとも手を止めてはならない。
 その時、この物語は真価を発揮するだろう。


 deltazuruさん同様、私も「スクランブル」を再読したくなった。「ヴェロシティ」を下敷きに読むと、別のものが見えてきそうで。