オクシタニア

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オクシタニア〈上〉
佐藤 賢一
集英社 2006-08
評価

オクシタニア〈下〉 ジャンヌ・ダルクまたはロメ 英仏百年戦争 ローマ人の物語〈24〉賢帝の世紀〈上〉 ローマ人の物語〈26〉賢帝の世紀〈下〉

by G-Tools , 2006/10/24


 アルビジョア十字軍。世界史の教科書だと一行、へたをすると授業では触れられないような話だ。
 キリスト教異端という、無宗教の日本人には分かりにくいテーマを、きちんとエンターテイメントにしてしまう佐藤賢一は、やはり凄い人だ。
 ただ、宗教に引き裂かれた二人のラブロマンス、と、南部フランスを巡る攻防記、という二つの軸がいまいち巧く噛み合っておらず、かえってピントがぼやけてしまった印象。
 それ以上に。佐藤賢一永遠のテーマである、「畢竟人間は男と女」→「ええのんか、ええのんか」コンボは、さすがにもう食傷気味だ(苦笑)。希少な西洋史の書き手であるし、偶にはもうちょっと別の切り口で攻めて欲しいなあ…永遠のテーマだから無理か。