中世ドイツうんちく小説「バルト海の復讐」


 久しぶりに田中芳樹を読みたくなったので手を出したのだけど……ちょっと物足りなかった。
 筋は単純な復讐劇。中世ドイツのハンザ同盟が舞台というのが物珍しい。しかし、そのなじみのない舞台補強のため、やたらとうんちくが入る。結果、流れが断ち切られて、リズムが悪い。分量もうんちくがなければ半分になるんじゃないかな、これ?
 田中芳樹作品としてはキャラも弱いし*1、自分が田中芳樹に求めるものは得られなかった、というのが正直なところ。いっそホゲばあさんがもっと活躍すれば別だったかも。
 やっぱり田中芳樹は架空歴史に限る。

バルト海の復讐 (光文社文庫)

バルト海の復讐 (光文社文庫)

*1:特にヒロインは空気。