杉井主人公のヘタレ具合は異常!「さよならピアノソナタ(4)」

 今年たくさんの本を出した杉井光氏だが、このシリーズが氏の最高傑作であることは間違いない。
 春夏秋冬、一つの季節が巡り、恋が一つ結実する。結局ターンの来なかった幼なじみが不憫すぎるけど、ラブコメとしては綺麗な着地だった。
 それにつけても、スターシステムとはいえ、ナオは群を抜いてヘタレだ。彼に勇気があれば一瞬で終わった話なのにね!(苦笑)
 読めて良かった。素直にそう言える素晴らしい作品だった。杉井さんには「ばけらの!」みたいな変化球もありだけど、また繊細な直球ラブコメを書いて欲しい。

さよならピアノソナタ〈4〉 (電撃文庫)

さよならピアノソナタ〈4〉 (電撃文庫)