ぶっちゃけオチの意味が分からなかった……「「アリス・ミラー城」殺人事件」

 色んな人にオススメされて読んでみた、けど……うーん、オチが分からない。こういうのって、最後まで読んだら、「えっ!?」ってなって、ストンと色んなものが落ちてこないといけないんじゃないだろうか。再読すればいいのかも知れないけど、ぶっちゃけめどい。僕ってミステリ脳じゃないと再実感。
 追記。
 先日のオフ会で解説してもらった。それでようやくオチを理解し、確かに「すごい」と思った。再読してみたい、とちょっと思った。
 でもやっぱり僕はこの作品を高く評価はできない。
 いや、この作品だけじゃなくて、他の新本格ミステリ作品にも言える風潮なんだけど、ミステリもの向けだけに書かれているような作品ってどうなんだろ? 今、一部の新本格ミステリはガラパゴス的進化をしていて、非ミステリものお断りな内容になっている。エンターテインメントとしての志向が余りに狭い。その先にあるのは進化の袋小路じゃないの? 小説として歪に過ぎるような……いや、趣味の細分化の行く先だから正しいのか? うーん。
 でも、もっと非ミステリものにも親切になって良いよな。傑作ならば、それゆにこそ、もったいないと感じる。一時隆盛を誇った新本格に斜陽が訪れているのは、たぶんかつてのSF冬の時代と同じ構造。一見さんお断り、な雰囲気が、「ミステリー」って付けると本が売れない、なんて言われちゃう状況に直結している。
 だから逆説的に、森博嗣東野圭吾海堂尊みたいなサービス旺盛なミステリ作家は売れるんだと思う。

『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫)

『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫)