黒米澤の怖さ「犬はどこだ 」

 誰だ! 米澤穂信を青春ミステリの旗手とか呼んだ奴は!?
 という訳で、米澤穂信のダークサイドがやや漏れ気味の作品。
 米澤さんは珍しくハードカバーでも追ったりする作家なのだが*1、この作品は未読だった。理由は単純で、千反田えるも小佐内さんもいなかったからだ。案の定萌えるキャラがいな…すいません、後半の妹さんの活躍にちょっぴし萌えました。既婚だけどね。人妻だけどね!
 主人公の挫折感はいつも以上に深い感じ。最初、人捜しと古文書の由来調べ、という地味な依頼から始まった話が、徐々に絡んで、大きな事件が見えてくる流れは流石。しかもその事件が…意外と身近なものだけに怖いよ。そしてラストが…うわー、こういうのさらりと書くんだものなあ。やっぱり米澤さんは黒いよー。
 でもやっぱり、米澤作品は美少女(未婚)がいた方がいいと思う!(力説)

犬はどこだ (創元推理文庫)

犬はどこだ (創元推理文庫)

*1:単にサイン会目当てという説もある