揺らぐ悪趣味な二者択一「ミステリクロノ2」
1巻は物語の根幹設定の説明が必要だったため、ちょっと煩雑で話に集中できなかった感があったけど、今回はすんなり愉しめた。
「トリックスターズ」はトリック満載の王道ミステリだったけど、「ミステリクロノ」は心理ホラーっぽい趣きがある。
二転三転する話に、最後に示される可能性の怖さ。揺らぎを与えつつ、読者に「どちらがマシ?」と二者択一を突きつける作者の悪趣味さに完敗(乾杯)。
ただ謎解きの過程などあっさりしすぎな気も。この辺をもっとどろっとさせれば、傑作になったのではないか、みたいな惜しさを感じる。いや、そうしたら電撃文庫で出せなくなっちゃうかも知れないけど。
- 作者: 久住四季,甘塩コメコ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/12/10
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (52件) を見る