円環少女 6
今回は好きな分だけ酷評、参ります。
この人はライトノベルで何をしたいんだ!
いやね、学生闘争と月光仮面とかライトノベルのネタじゃないよ。想定読者はどこなんだ! 後書きに歴史を描くみたいな事が書いてあったけど、きちんと説明できてない*1点が歴史改変ものとして失格。国城田の日本への不満とか、読者が想像するしかない。
文章はだいぶこなれてきて、だいぶ読み易くなった、と最初思ったけど、あいかわらず時間がかかる。なぜなら、心理描写がヘタだからだ。これは、それぞれがそれぞれの想いを抱えて激突する、という群像劇として致命的。思わせぶりな表現を多用する割りに、肝心のことを避ける癖も読み難さを加速する。
最後まで各組織の思惑も良く分かんなかったし。結局、仁VS公館の状況を作るために、各組織間の勢力図を設計して、それにリアリティを付加するために設定をつけたけど、根幹の部分には触れたくないから、背景までは描けない。読者もまた、明かりのない地下迷宮で戦わされている。
これは魔法の設定も同様で、話を面白くするために、後付け設定しすぎ。この魔法体系ではこれができます、とか後から言われても納得できないんだよー。だがこんな弱点があります、とか逆転されても首肯できないんだよー。核爆弾があんなことになっちゃう理由も良く分からないんだよー。結局、魔法って何ができて、何が出来ないんだよー。
結論としては、メイゼルの出番が少ないのが不満です。*2
円環少女(サークリットガール)〈6〉太陽がくだけるとき (角川スニーカー文庫)
- 作者: 長谷敏司,深遊
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/11/01
- メディア: 文庫
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