『クロック城』殺人事件
色んな人が薦める北山猛邦。デビュー作文庫化を機に手に取ってみたよ。いや、他の巻から読んだ方が、と言われたような気もするけど、こういうのはやっぱり刊行順に読みたいじゃない。
てっきりストレートな館モノだと思っていたので、冒頭、いきなりの終末目前世界にびっくり。しかし世界がどうなっているのかが気になって、ミステリ部分に集中できなかった…。
中盤、移動してばっかりでちょっと弛れたかな。また、文章が淡泊なので、どうも緊迫感とかがない。キャラも個性的なんだから、もっとあざとく書いた方が良いのに。
そして衝撃のトリック…えーっ！ そんなの表紙見た瞬間分かるじゃんっ！ カリ城好きなら誰でも気付くよう。絶対もっとすごいトリックだと思ってたのにがっかりだあ。
ま。その後の超論理が面白くて盛り返したけども。
全体的に、魅せ方が未熟なのはデビュー作だからやむなしか。とりあえず、次作も文庫化したら読んでみようとは思う。
