煌夜祭

 ラノサイ杯をきっかけに読んでみるよ第3弾。
 うん、確かに面白かったけど、期待した程じゃなかった、という感じ。
 二人の語り部が小話を交互に語り合い、やがて大きな物語が浮かび上がってくるという展開。千夜一夜物語だね。
 構成は良く出来ているし、文体も新人としてはしっかりしたものなんだけど…キャラが弱くて印象に残り辛い。そのせいで、最後の劇的なはずの展開が、「?」になっちゃったんだなあ。もったいない。*1結構特殊な世界なのに、その辺の描写をほとんどしないのも「?」度を上げている気がする。
 ただ原石めいたものはあると思うので、次作に期待したい。というか、あとがきにある、文字のない世界の高飛車な『本』の姫、ってむちゃくちゃ気になる!
 ところで、ぱっと見で分からなかったけど、イラストが山本ヤマトさんなんだよねえ。いろんな絵が描ける人だなあ。


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煌夜祭
多崎 礼
中央公論新社 2006-07
評価

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by G-Tools , 2007/02/22

*1:単に私の記憶力が悪いだけかもしれんが。