赤朽葉家の伝説

 結局、サイン会までには読み了らず。ようやく読了。
 最初、結構厚いハードカバー、しかも2段組という仕様に躊躇したものの、そこはさすが桜庭一樹。圧倒のリーダビリティでするする読める。
 戦後史と、それぞれの時代を生きる女の三代記を絶妙に絡めた手腕も見事。そして「少女」と、その先にある「女」を描ききった!*1
 しかしこの作品、私には「面白いーつまらない」の評価軸で語ることができない。強いて感覚に一番近い語を挙げるならば「すごい」。というか「すげえ」。「ブルースカイ」「少女七竃と七人の可愛そうな大人たち」で漠と感じていた何かがより強固になって結実した心象。だが今の私の語彙ではそれを言語化できない。
 いったいこの作品はなんなんだ!


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赤朽葉家の伝説
桜庭 一樹
東京創元社 2006-12-28

少女七竈と七人の可愛そうな大人 GOSICK〈6〉ゴシック・仮面舞踏会の夜 DDD 1 刀語 第一話 絶刀・鉋 化物語(下)

by G-Tools , 2007/01/23

*1:第二部の毛毬の生き様に、今の作家・桜庭一樹を重ねて不安になったのは私だけではあるまい。