私的TRPGラノベ相関遍歴
私の場合、TRPGと読書体験は切っても切り離せない関係にある。
小学生の時、ファミコン・インパクトがあり、その後ドラクエでRPGなるものに触れた。そして嵌まった。
そんな私に、中学生になって出会った友人*1が2つのものを紹介する。それがTRPGと読書だった。
TRPGといっても当時はまだD&Dの箱くらいしかなく*2、それは中学生には高い買物だった。*3そこで文庫で出ていたT&Tをやることとなる。その時は仲間が少なく、友人と1対1でプレイした事もある。私がロール派*4なのは、この時の原体験が大きいのかもしれない。なにせT&Tはゲーム部分がアレなので、どうしてもロールプレイに頼らざるを得なかったので。データが不足している分、遊び方のバリエーションは多かった気もする。
紹介された本は「エレコーゼ・サーガ」と「吸血鬼ハンターD」。以後、エレコーゼを皮切りにエルリックに進み、ファンタジーにどっぷりと浸かっていく。この頃の私はファンタジーを、TRPGの設定資料集的に読んでいた節もある。Dの影響は…吸血鬼愛好家の私を知る人には言うまでもあるまい。三つ子の魂百まで、とは良く言ったものである。
黒曜石のなかの不死鳥―永遠の戦士エレコーゼ〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)
- 作者: マイクルムアコック,Michael Moorcock,井辻朱美
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吸血鬼(バンパイア)ハンターD (ソノラマ文庫 (225))
- 作者: 菊地秀行,天野喜孝
- 出版社/メーカー: 朝日ソノラマ
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T&Tにもさすがに厭きてきた頃、ソード・ワールドが登場する。ソード・ワールドの最大のインパクトは、何といっても「文庫」という安価さと入手のしやすさだろう。当時、TRPGのルールの大半はボックスで出ていて、高い上に、売っている所がほとんどなかった。*5それが1000円以下で、書店で手に入る! ソード・ワールドの何より画期的な所は、流通や環境*6にまで配慮した点である。だからこそソード・ワールドは日本一売れたTRPGとなれたのだ。
ソード・ワールドRPGベーシック (富士見文庫―富士見ドラゴン・ブック)
- 作者: 清松みゆき,グループSNE
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そしてソード・ワールドの情報を求めてドラゴンマガジンを買った時、私は「スレイヤーズ」と出逢う! 目から鱗だった。この時、私の中で小説は「小難しいもの」から「面白いもの」へとパラダイムシフトした。以後、天野喜孝絵に惹かれて「アルスラーン戦記」を読み、田中芳樹に傾倒し、読書の世界へと嵌まっていくのである。食費を削って本を買った。図書館でも借りまくった。読み漁った。
- 作者: 神坂一,あらいずみるい
- 出版社/メーカー: 富士見書房
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王都炎上・王子二人 ―アルスラーン戦記(1)(2) (カッパ・ノベルス)
- 作者: 田中芳樹,丹野忍
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つまり私の場合、TRPG→ラノべ、だった。この辺が最近のラノべ読みと根本的に違う点だなあ、と思う。
さて。ソード・ワールドというシステムは手に入った。しかし高校にあがった私には、仲間がいなかった。もちろんTRPG系の部活などなく、仲間を探しても得られない状況が続く。化学部で半ば強引にソード・ワールドのセッションをしたのも良い想い出(苦笑)。ちなみにこの頃、ソード・ワールドの舞台として延々オリジナルの国の設定を作ったりしていた。昔は設定魔だったんだなー。
そんな苦い体験から、私は大学でTRPG系サークルの扉を叩く。*7そこで今までの餓えを癒すように、TRPGをやりまくるのである。いやあ、あの頃は凄かった。サークルの掲示板には、毎日何かしらのTRPGの予定が立っていて*8、私も仲間も、その大半に参加していたのだから。この時の仲間は今も仲が良く、いまだにTRPGしたり、呑んだりしている。*9
大学の4年間をまるまる使ったソード・ワールドのキャンペーンでは、1レベルから10レベルまで育てて、最後はエルダー・ドラゴンを斃す英雄にまでなったんだから、贅沢な遊び方だったなあ。他にもロールマスター、パワープレイ、メタルヘッド、クトゥルフの呼び声、ウォーハンマー、サイバーパンク2020、真・女神転生、央華封神、TORG、セブン=フォートレスetcetcマスターもプレイヤーも色々やった。
改めて振り返って見ても、私の人生と小説とTRPGは切っても切り離せないのだなあ。そして今もその関係の仕事をしている訳で、人生って積み重ねなんだねー。