私的TRPGラノベ相関遍歴

 私の場合、TRPGと読書体験は切っても切り離せない関係にある。
 小学生の時、ファミコンインパクトがあり、その後ドラクエRPGなるものに触れた。そして嵌まった。
 そんな私に、中学生になって出会った友人*1が2つのものを紹介する。それがTRPGと読書だった。

 TRPGといっても当時はまだD&Dの箱くらいしかなく*2、それは中学生には高い買物だった。*3そこで文庫で出ていたT&Tをやることとなる。その時は仲間が少なく、友人と1対1でプレイした事もある。私がロール派*4なのは、この時の原体験が大きいのかもしれない。なにせT&Tはゲーム部分がアレなので、どうしてもロールプレイに頼らざるを得なかったので。データが不足している分、遊び方のバリエーションは多かった気もする。

トンネルズ&トロールズ 第7版 (Role&Roll Books)

トンネルズ&トロールズ 第7版 (Role&Roll Books)

 紹介された本は「エレコーゼ・サーガ」と「吸血鬼ハンターD」。以後、エレコーゼを皮切りにエルリックに進み、ファンタジーにどっぷりと浸かっていく。この頃の私はファンタジーを、TRPGの設定資料集的に読んでいた節もある。Dの影響は…吸血鬼愛好家の私を知る人には言うまでもあるまい。三つ子の魂百まで、とは良く言ったものである。

黒曜石のなかの不死鳥―永遠の戦士エレコーゼ〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

黒曜石のなかの不死鳥―永遠の戦士エレコーゼ〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

 T&Tにもさすがに厭きてきた頃、ソード・ワールドが登場する。ソード・ワールドの最大のインパクトは、何といっても「文庫」という安価さと入手のしやすさだろう。当時、TRPGのルールの大半はボックスで出ていて、高い上に、売っている所がほとんどなかった。*5それが1000円以下で、書店で手に入る! ソード・ワールドの何より画期的な所は、流通や環境*6にまで配慮した点である。だからこそソード・ワールドは日本一売れたTRPGとなれたのだ。

 そしてソード・ワールドの情報を求めてドラゴンマガジンを買った時、私は「スレイヤーズ」と出逢う! 目から鱗だった。この時、私の中で小説は「小難しいもの」から「面白いもの」へとパラダイムシフトした。以後、天野喜孝絵に惹かれて「アルスラーン戦記」を読み、田中芳樹に傾倒し、読書の世界へと嵌まっていくのである。食費を削って本を買った。図書館でも借りまくった。読み漁った。

スレイヤーズ! (富士見ファンタジア文庫)

スレイヤーズ! (富士見ファンタジア文庫)

王都炎上・王子二人 ―アルスラーン戦記(1)(2) (カッパ・ノベルス)

王都炎上・王子二人 ―アルスラーン戦記(1)(2) (カッパ・ノベルス)

 つまり私の場合、TRPG→ラノべ、だった。この辺が最近のラノべ読みと根本的に違う点だなあ、と思う。

 さて。ソード・ワールドというシステムは手に入った。しかし高校にあがった私には、仲間がいなかった。もちろんTRPG系の部活などなく、仲間を探しても得られない状況が続く。化学部で半ば強引にソード・ワールドのセッションをしたのも良い想い出(苦笑)。ちなみにこの頃、ソード・ワールドの舞台として延々オリジナルの国の設定を作ったりしていた。昔は設定魔だったんだなー。

 そんな苦い体験から、私は大学でTRPG系サークルの扉を叩く。*7そこで今までの餓えを癒すように、TRPGをやりまくるのである。いやあ、あの頃は凄かった。サークルの掲示板には、毎日何かしらのTRPGの予定が立っていて*8、私も仲間も、その大半に参加していたのだから。この時の仲間は今も仲が良く、いまだにTRPGしたり、呑んだりしている。*9

 大学の4年間をまるまる使ったソード・ワールドのキャンペーンでは、1レベルから10レベルまで育てて、最後はエルダー・ドラゴンを斃す英雄にまでなったんだから、贅沢な遊び方だったなあ。他にもロールマスター、パワープレイ、メタルヘッドクトゥルフの呼び声ウォーハンマーサイバーパンク2020、真・女神転生央華封神TORG、セブン=フォートレスetcetcマスターもプレイヤーも色々やった。

 改めて振り返って見ても、私の人生と小説とTRPGは切っても切り離せないのだなあ。そして今もその関係の仕事をしている訳で、人生って積み重ねなんだねー。

*1:彼とは今も親交がある。TRPGからは離れてしまったが。

*2:友人は小学生の時にD&Dのキャンペーンをやっていたそうだ。濃いな。

*3:中学生に5000円は大金だ。

*4:TRPGではロールプレイ部分を重視するロール派と、ゲーム部分を重視するゲーム派の2つの派閥がどうしてもできる。

*5:友人に連れていってもらった、書泉ブックマート2Fの衝撃と言ったら!

*6:使用するダイスが6面体、といった普通のサイコロだったことなど。

*7:看板は別のものだったけど

*8:それでも入り切らず調整していた。

*9:昨日も呑んでた!